突然、実家の親から「今から入院することになった」と連絡が入ったら、あなたはどうしますか?
慌てて病院に駆けつけたものの、必要なものが見つからず、家を何度も往復…そんな経験をした人は少なくありません。
私自身、母の入院のときに診察券やお薬手帳を探して右往左往し、「事前に準備しておけばよかった」と強く感じました。
入院に必要な持ち物には「必ず必要な基本セット」と「あると快適な便利グッズ」があります。
保険証やお薬手帳のように忘れると大変なものもあれば、スリッパや羽織りもののように、あれば入院生活の快適度が大きく変わるものもあります。
こうした持ち物を事前にリスト化し、「入院バッグ」として実家に置いておくだけで、もしもの時も落ち着いて対応できます。
本記事では、実際に入院を経験した家族のエピソードも交えながら、20の必須アイテムを整理しました。
「親が元気なうちに準備をしておきたい」
「自分が急に呼ばれても慌てたくない」
という方にとって、きっと役立つ内容になるはずです。
今日から少しずつチェックして、安心できる備えを一緒に整えていきましょう。
必ず準備しておきたい「基本の持ち物」10点
健康保険証・診察券
入院の連絡を受けて病院に駆けつけたとき、まず必要になるのが保険証と診察券です。
これがないと医療費が一時的に全額自己負担になってしまうこともあり、あとから返金手続きをするのは意外と面倒。
私自身、母が急に入院したときに診察券が見つからず、受付で慌てた経験があります。
特に親世代は「マイナ保険証」を利用しない方も多いので、「資格確認書」や「後期高齢者医療被保険者証」「高齢受給者証」など、似たような書類がいくつもあることがあります。
クリアケースにひとまとめにしておくだけで、家族の誰でもすぐ取り出せるようになります。
原本を入院バッグに入れておくのが心配なら、バッグに入れるコピーには、付箋で原本の場所を書いておくのが便利。
これが安心への第一歩です。
お薬手帳・現在服用している薬
入院中に「今飲んでいる薬は何ですか?」と聞かれて答えられなかったら…と想像すると不安になりませんか?
お薬手帳には処方の履歴やアレルギーの有無など、大切な情報が詰まっています。
これがあるかどうかで医師の判断は大きく変わります。
私の母も、普段から薬を飲んでいますが、入院時にお薬手帳があったおかげでスムーズに治療方針が決まりました。
飲みかけの薬をそのまま持参すれば、無駄なく続きの処方につなげてもらえるのも助かるポイントです。
薬と手帳をセットにして専用ポーチに入れておく習慣をつけておくと安心です。
身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)
入院時には、契約書や同意書を書く場面が少なからずあります。
そのときに、本人確認書類として身分証明書を求められることがあります。
「マイナ保険証ではない保険証」だと顔写真がないため本人確認が不十分なことも多く、追加で免許証やマイナンバーカードの提示を求められることも。
財布の奥に入れっぱなしにしていると、いざというとき探すのが大変。
入院バッグ用に小さなケースを用意して分けておくと、家族も迷わず取り出せて安心です。
現金(小銭・千円札中心)
「キャッシュレスが広がっているし、お金はあまり持たなくてもいいかな?」と思いがちですが、病院生活では意外と現金が必要です。
テレビカードの購入や売店での日用品、自動販売機で飲み物を買うときなど、まだ現金しか使えない場面は多く残っています。
大金を持たせる必要はありません。
千円札や小銭を中心に1〜2万円を小分けしておけば十分。
私は母の入院時に、細かいお金が足りず、夜にわざわざ両替に走ったことがあります。
少し多めに準備しておくと、そんな小さな焦りを避けられますよ。
下着・肌着(数日分)
体調によっては汗をかきやすくなったり、検査で着替える回数が増えることもあります。
下着や肌着は「思ったより多めに」用意しておくのがおすすめです。
前開きタイプや柔らかい素材は、動きが不自由なときでも着替えやすくて便利。
私の母は普段から伸縮性のある肌着を好んでいますが、入院中は特に「これが一番ラク」と話していました。
自宅で洗濯が追いつかないことを考えて、少し余裕を持たせるのが安心です。
パジャマ(前開きタイプ)
点滴や検査で腕を出すことが多い入院生活。
被るタイプより、前開きのパジャマの方が断然スムーズです。
病院によってはパジャマのレンタルもありますが、毎日費用がかかるので、自分のものを持参する人も少なくありません。
親世代にとっては「ボタンが大きくて留めやすい」ことも重要なポイント。
実際、母の入院時には細かいボタンを留めるのに苦労していたので、次回からは大きめボタンにしようと感じました。
タオル・バスタオル
タオルは一日のうちに何度も使います。
洗顔や体を拭くとき、ちょっとした枕代わりなど、用途はさまざま。
薄手で乾きやすい素材を複数枚持っていくと便利です。
今治タオルのように吸水性が高いものは、肌にも優しく、洗濯してもすぐ乾くので入院用にぴったり。
大判のバスタオルは場所を取るので、薄手を数枚準備する方が実用的です。
「1日1枚は使う」と考えて、余裕を持たせると安心です。
洗面用具(歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、石けん、シャンプーなど)
入院生活は「普段使い慣れているもの」があるだけで気持ちが落ち着きます。
売店でも買えますが、種類が限られていて割高なことも。
旅行用の小分けボトルを使えば荷物もかさばらず便利です。
私が実家の母のために用意したのは、小さなポーチに歯ブラシ・コップ・洗顔フォームをまとめたセット。
それだけで「すぐに使える」安心感があります。
スマホ・充電器
面会制限がある病院では、スマホが家族との唯一の連絡手段になることがあります。
LINEやビデオ通話で声を聞けるだけでも、患者本人も家族も安心します。
ただ、病室のコンセントはベッドから遠かったり数が限られている場合が多いんです。
延長コードやモバイルバッテリーを一緒に用意しておくと本当に助かります。
私も母の入院時に「延長コードがあればよかった」と痛感しました。
筆記用具・メモ帳
医師の説明は専門用語が多く、一度で理解するのは難しいこともあります。
そんなとき、手元にメモ帳があると安心です。
私自身、母の検査説明を聞いたときに、とっさにメモした言葉が後からすごく役立ちました。
A6サイズくらいの小さなノートとボールペン一本。
たったそれだけで、入院中の「聞き漏らしたらどうしよう」という不安がずいぶん減ります。
快適さと安心を支える「便利グッズ」10点
スリッパ(滑りにくいもの)
病院の床って、一見きれいに見えても実はすごく滑りやすいんです。
私の母も入院中、トイレに行く途中で「ツルッ」となり、ヒヤッとしたことがありました。
それ以来、滑り止め付きのスリッパを必ず持たせるようにしています。
羽織りもの(カーディガンや薄手の上着)
病室は冷暖房の温度設定が一律なので、「ちょっと寒いな」と感じることが少なくありません。
そんな時に一枚羽織れるカーディガンがあると、本当に助かります。
私の母はユニクロの薄手カーディガンを愛用しています。
軽くてシワになりにくいので、ベッド横に掛けておいても邪魔になりません。
季節の変わり目や、冷えやすい朝晩にサッと羽織れるものが一枚あるだけで、安心感がぐっと違います。
ティッシュ・ウェットティッシュ
ちょっとした汚れを拭いたり、手を洗えない場面って意外と多いですよね。
ウェットティッシュは食事前後にも重宝しますし、ティッシュとセットで必ず持っていきたいアイテムです。
アルコールタイプとノンアルコールタイプを両方用意しておけば、用途によって使い分けられて便利です。
コップ(割れない素材)
うがいや水分補給は毎日のこと。
だからこそ、安心して使えるコップは必需品です。
陶器やガラスだと落とした時に危険なので、プラスチックやステンレス製のものがおすすめ。
無印良品のポリプロピレンマグは軽くて丈夫、ふたや持ち手付きで高齢の方でも扱いやすいと人気です。
ひとつあるだけで、入院生活が少し楽になります。
イヤホン・耳栓
大部屋の入院だと、どうしても他の人の生活音やいびきが気になります。
そんな時、イヤホンや耳栓は「自分だけの空間」を作ってくれる頼もしい味方です。
テレビを見るときにイヤホン必須の病院も多いですし、100円ショップでも手軽に買えるので準備しておくと安心。
軽量イヤホンなどは、長時間使っても耳が痛くなりにくいと好評です。
眼鏡・眼鏡ケース/補聴器
医師の説明を聞き漏らしたり、テレビがよく見えなかったりすると不安になりますよね。
だからこそ、眼鏡や補聴器は必ず持っていきましょう。
私の母も、病院でメガネを置き忘れたことがありましたが、ケースに大きく名前を書いていたので無事に戻ってきました。
小さな工夫が安心につながります。
時計(大きめの文字盤)
スマホで時間を確認できる…と思いがちですが、検査や充電中で手元にないときも多いものです。
そんなときにベッドから見やすい、文字盤が大きい時計があると安心です。
検査の時間や薬を飲むタイミングも確認しやすく、入院中の「時間感覚」を保つのに役立ちます。
洗濯ネット・小さな洗濯用袋
衣類をまとめて洗濯に出すときや、使った服を持ち帰るときに便利なのが洗濯ネットや小袋です。
清潔なものと使用済みを分けられるので、衛生面でも安心です。
私はニトリで売っているファスナー付きの洗濯ネットを使っていますが、軽くて丈夫、しかも畳んでバッグに入れても邪魔になりません。
入院中の「ちょっとした煩わしさ」を減らしてくれるアイテムです。
延長コード・タップ
病室のベッド周りはコンセントが少なく、位置も遠いことがよくあります。
「充電したいのにコードが届かない…」という小さなストレス、想像できますよね。
複数口があり、省スペースで持ち運びやすいものがおすすめ。
これがあるだけで、スマホや充電器を快適に使えます。
ちょっとした嗜好品(飴、のど飴、好きな本など)
入院生活は単調で、気分が沈みがちです。
そんなとき、のど飴やお気に入りのお菓子、本や雑誌など「小さな楽しみ」があると、心がほっと和みます。
私の母は入院中、孫からもらった写真と一緒に文庫本を持ち込んでいました。
「これがあるだけで病室が家みたいに感じる」と言っていたのを思い出します。
Amazon Kindleなど、電子書籍なら場所も取りません。
ほんの少しの工夫で、病院での時間が前向きに変わります。
まとめ
入院の準備を考えるときは、「必ず必要なもの」と「あると快適なもの」を分けておくと、とても整理しやすくなります。
全部を一度に完璧に揃えようとすると気が重くなりますが、カテゴリーごとに考えると不思議とスッキリして見えるんです。
私自身、母の急な入院を経験したとき、最初は「とにかく全部持って行かなきゃ」と焦って大きなバッグに詰め込みました。
でも、実際に病室で必要だったのはほんの一部で、「これを先に分けておけばよかった」と心底思いました。
だからこそ、事前に「基本セット」と「快適グッズ」に仕分けしておくことが大切だと感じています。
「基本セット」と「便利グッズ」の分類表
区分 | 主なアイテム | ポイント |
---|---|---|
基本セット | 保険証・診察券、お薬手帳、下着、パジャマ、タオル、洗面用具など | 手続きや生活に必須。コピーではなく原本を。 |
快適グッズ | スリッパ、羽織りもの、イヤホン、時計、延長コード、嗜好品など | あれば快適さが大きく変わる。小さな工夫で安心。 |
実家にひとまとめの「入院バッグ」を用意しておけば、突然の電話があっても、そのまま持ち出すだけで済みます。
忙しい仕事の合間でも、子どもの予定と重なっていても、「とりあえずバッグを持って行こう」と思える安心感は本当に大きいです。
親に伝えるときも「旅行用にちょっと準備しておこうね」と声をかければ、重い話題にならずにスッと受け入れてくれることが多いと思います。
「忘れがちなアイテム」一覧
アイテム | なぜ必要? | 代替できる? |
---|---|---|
延長コード | コンセント不足対策 | モバイルバッテリーで代替可 |
洗濯ネット | 清潔と使用済みを分けられる | ビニール袋でも代用可能 |
メモ帳・ペン | 医師の説明を記録 | スマホのメモ機能でも代用可 |
もしものときに備えることは、親の安心のためだけではありません。
むしろ自分自身の心を守る準備でもあります。
家族で一緒にバッグを整えることは「安心を共有する作業」そのもの。
今日から少しずつ、チェックリストを見ながら整えてみませんか。
未来の自分が「用意しておいてよかった」ときっとホッとするはずです。
家族で分担して準備するもの
担当 | 準備物 | ポイント |
---|---|---|
親本人 | 下着、パジャマ、眼鏡・補聴器など | 自分に合ったものを用意しやすい |
子ども世代 | 保険証や診察券のコピー確認、現金、充電器など | 忘れやすい書類や電子機器をチェック |
家族全員 | 入院バッグの置き場所確認 | 誰でもすぐ取り出せるようにする |
入院準備チェックリスト(20項目)
チェック | 項目 |
---|---|
[ ] | 健康保険証・診察券 |
[ ] | お薬手帳・現在服用している薬 |
[ ] | 身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど) |
[ ] | 現金(小銭・千円札中心) |
[ ] | 下着・肌着(数日分) |
[ ] | パジャマ(前開きタイプ) |
[ ] | タオル・バスタオル |
[ ] | 洗面用具(歯ブラシ・歯磨き粉・コップ・石けん・シャンプーなど) |
[ ] | スマホ・充電器 |
[ ] | 筆記用具・メモ帳 |
[ ] | スリッパ(滑りにくいタイプ) |
[ ] | 羽織りもの(カーディガンや薄手の上着) |
[ ] | ティッシュ・ウェットティッシュ |
[ ] | コップ(割れない素材・取っ手付きが便利) |
[ ] | イヤホン・耳栓 |
[ ] | 眼鏡・眼鏡ケース/補聴器 |
[ ] | 時計(大きめの文字盤・置き時計) |
[ ] | 洗濯ネット・小さな洗濯用袋 |
[ ] | 延長コード・タップ |
[ ] | 嗜好品(飴、のど飴、好きな本など) |
- 入院に必要なものは「基本セット」と「快適グッズ」に分けると整理しやすい
- 実家に「入院バッグ」をひとまとめにしておくと、急な入院時も慌てず対応できる
- 家族で一緒に準備することで、安心感を共有できる
よくある質問と回答
- 入院バッグはどのくらい前から準備すればいいですか?
-
親が元気なうちに準備しておくのがおすすめです。
急な入院は思ったより多く、実際に準備していたことで「慌てず済んだ」という声は多いです。
- 病院でパジャマやタオルをレンタルできますか?
-
多くの病院でレンタルサービスがあります。
費用は1日数百円〜数千円程度と幅がありますが、洗濯の手間が省けるメリットがあります。
普段使い慣れたものを持参するか、レンタルを利用するかは事前に病院へ確認すると安心です。
- お薬手帳が見つからないときはどうしたらいいですか?
-
かかりつけ薬局に連絡すると、これまでの処方情報を確認できます。
入院時に必要なのは「今飲んでいる薬の内容」なので、薬そのものや薬局からの情報があれば代用可能です。
- 延長コードやイヤホンなど電気製品は病院に持ち込んでいいの?
-
ほとんどの病院では個人使用の範囲で持ち込み可能ですが、火災防止の観点から指定の電圧や長さに制限がある場合もあります。
入院前に「持ち込み可否」を確認しておくとトラブルを防げます。
